というわけで起業について。
「1円起業」という言葉がメジャーになって久しいが、もちろん本当に1円だけで起業できるわけではなく、あくまで資本金が1円でもOK、という話であり、株式会社の場合は実際の起業には、
・定款の認証時にかかる手数料:5万円
・認証の文書にかかる印紙税:4万円
・登記申請時の登録免許税:15万円(資本金が1億円くらいの人は違うので注意)
・もろもろの謄本請求料、手数料など
と、 最低でも25万円くらいはかかる。
合同会社などでは安くなるが、ここでは株式会社の話に限定するので割愛。
起業にまつわる詳しい話は、他に専門のサイトや書籍などで解説されているので、ここでは実際の定款作成、特に電子定款についてと、その後の登記申請について、実際に自分で行なった流れに沿いながら、実作業で引っ掛かりやすい部分に重点を置いて書いていこうと思う。
とにもかくにも、定款の電子認証。
印紙代に4万も払うほど余裕のある起業ではないので、こいつだけは意地でも払わん!という覚悟で臨んだものの、まぁ実にめんどくさかった。
自分はAcrobatなどに関してもそこそこ使用経験があったからまだマシだったが、手間と苦労を考えると、人によっては4万円払った方がよっぽども楽で時間もかからないと思うので、はっきり言って万人にオススメするものではない。
早めに諦めて、この労力を別のことに使う、というのも、やってみた実感としては全く以てアリだと思う。
PCの知識にそこそこ自信があり、かつ起業までにある程度時間に余裕があるならばチャレンジする、くらいのつもりが良いのではと。
・・・
■事前の準備
【発行した定款を保存してもらうためのメディアを用意】
・CD-R、USBメモリなど、電子で記録出来ればなんでもいいらしいので、ひとまずCD-Rのメディアを準備。
【ICカードリーダーを用意】
・e-Tax(最近よく騒がれているオンライン確定申告)で使えるやつならOKとの話があったので、適当に見繕って購入。ノジマ電器のオンラインショップで1,880円。
http://online.nojima.co.jp/front/commodity/1/4969887537589/
実際に届いたらパッケージも本体も非常にちっちゃい。本体は大きさも形もタブレットケースみたい。
ドライバーは付属していないのでネットから落としてくる。特に問題なくインストール完了。
http://www.sanwa.co.jp/support/rw5100/index.html
【印鑑を購入】
・定款の認証時に必要になるわけではないが、認証がうまくいったらその直後の資本金の払込証明の際と登記の時にはどのみち必要になるので、先に注文しておくことにした。
(ちなみに定款で必要なのは発起人の個人の実印で、そっちはクルマのローンを組む時に作ったので既に持っている)
素材とかに全然こだわりは無かったので、オンラインショップで安くて怪しくなさそうな店を探して、「会社設立用3本セット」を注文。
ゴム印も一緒に注文したかったけれど、代表の電話番号をどうするかまだ思案中だったので、ひとまず断念。
http://www.at-hanko.com/shop/cset/AT-C3-AKT-SET.html
★もちろん、この時点で社名が決まっている必要があるので、会社の商標が確実に登録できるものかどうかは事前に調べておくこと!
【Acrobatをインストールする】
・今後も使用する予定は無いし、そもそも4万円浮かすために7万もするソフトは買えん。
というわけで、試用版でしのぐことに。ここはあまり詳しく解説するとアレなので割愛。
★貴方がもし「試用版ってなに?」というレベルであれば、この後の工程にはチャレンジしないことを勧める。いやホントに。たぶん「やらなきゃよかった…」ってくらいにしんどいから。
【法務省から電子証明書付加のためのAcrobat用プラグインを入手】
・法務省の「法務省オンライン申請システム」のことを一生懸命調べても、コレだ!という情報が無いので、なんか変だな…と思いつつ調べなおしたら、2012年に利用頻度の高い不動産・法人登記等だけが別サイトの「登記/供託オンライン申請システム」に移行されていたことを知る。って、知るかい!
http://blog.goo.ne.jp/chararineko/e/30c33a41191004e1d0f37dd2adc360d0
・ひとまずAcrobat用プラグインをダウンロードしてインストール。
https://t-k-download.moj.go.jp/application/SPDFG140.exe
セットアップの途中で「デフォルトで設定する署名方法」を聞かれるので、「公的個人認証ICカードを使用する」を選択。なおインストール後、PCの再起動が必要なので注意。
【申請用総合ソフトのインストール】
・後ほど、最も重要かつ活躍することになる「申請用総合ソフト(もうちょい気の利いたネーミングは無かったのか…?)」ってやつも、どのみち使うのでついでにダウンロードしてインストールしておく。.NETフレームワークが必要。
https://t-k-download.moj.go.jp/application/update/setup.exe
【登記ねっとにユーザ登録】
・これも前述のサイトに行ったついでに行なっておくこと。
申請用総合ソフトを使うためには不可欠。
https://www.touki-kyoutaku-net.moj.go.jp/web/top/SC01WL01-RegistShinseisha.do
…という感じで、PC上の準備だけでもすでに結構めんどくさい。
次回は準備の第二段階、住民基本台帳カードの取得とPDFへの署名について。